メメシーブログ

女々しく生きて何が悪い

私もアメリカ移住はお勧めしません。けど日本もどうかなって思う。

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動画において、説明文がこう書かれていました。

今回の動画のテーマは「何も考えずにアメリカに移住」 今や世界でNo.1の大国であるアメリカ。 自由とチャンスと明るい未来を求めて、多くの国から様々な人種が集います。 将来性も勢いもあり、世界をリードする経済大国でもあり、文化もスポーツもエンタメもテクノロジーもすべてが最先端。 ともすると住むには最高の国であるかのように思えますが‥そこには当然、知られざる現実と苦労が待っているのです。

 

たしかにアメリカは経済大国ではあります。

スポーツも文化もエンタメも最先端でもあります。

でもそれは一部の富裕層やハイスペックな人材に限った話で

一般庶民は生活基盤を失って厳しい生活をしています。

 

動画の主人公のアメリカでのシビアな生活を見て視聴者たちはここぞとばかりに

日本で暮らせてよかった

日本は素晴らしい、日本ほどいい国がないという

日本は安全で平和な国だ

日本社会は健康保険制度が優れている

根拠のない日本礼賛と自画自賛のコメントで埋め尽くされていました。

 

日本の健康保険は先進国では平均レベルであるし

新興国でもトルコやマレーシア辺りは日本レベルの健康保険

セーフティーネットを実現させています

 

日本のセーフティーネットや保険制度はカナダやデンマーク

や北欧に比べたら足元にも及びません。

 

別段、日本の社会福祉が世界的に優れているわけではありません。

アメリカがそこそこの中進国や先進国や日本に比べて社会福祉

が劣っているだけです。

 

日本とアメリカだけを比較して

日本ほどいい国はない素晴らしいって絶賛するのは早計かと思います。

 

アメリカでは高スキルで高学歴の人材ではないと就職できない理由

アメリカはNAFTAによって度重なる海外での工場移転で国内の産業空洞化

が起こりました。

 

一般職程度のホワイトカラーの仕事はBPO(ビジネスプロセスアウトソージング)

としてアジアの英語圏に移転です。

 

一般クラスのアメリカ人が中間層を築けるチャンスを失ったのです。

 

金融や医療と言った高度スキルの仕事に就くことでしか

下剋上を達成できないのがアメリカの現状です。

 

かつての中間クラスが低賃金のサービス業ぐらいしか働く場所がなく

窮屈な部屋に住みカツカツの暮らしをする毎日

 

でもかつてのアメリカでは高卒でも工場や一般職のオフィスワーカー

となり比較的高い賃金を得て

広大な土地を買って大きな家を建てることができました。

これらを海外移転による産業空洞化とBPOによって実現できなくなったのです。

 

就職のハードルがぐんと高くなったのはNAFTA主導のBPOと工場海外移

転によるものだったのです。

 

国内に仕事が減ったがゆえに残ったパイを取り合っている状態

それがアメリカの現状です。

 

日本はそこそこの能力の人でもやっていける

というコメントを見ましたが

日本も決して他人事ではありません。

 

今現状、日本ではまだあらかた普通のスキルや学歴の方が仕事に就けるのは

アメリカほど産業が空洞化せずBPOが進んでいないためです。

日本語という言語の壁と日本人の勤勉さによるものですね。

 

日本の場合は非正規雇用を促進することで国内の雇用

を維持している側面があります。

 

契約社員やパート社員や派遣社員などをもって

国内のホワイトカラー一般職や製造業の雇用を維持している側面があります。

いうまでもなく彼らは低賃金です。

 

日本は決してアメリカをあざ笑うことができません。

 

たしかに日本のホワイトカラーは日本語の枠によって守られています。

しかし、日本語を話せる外国人は増えています。

 

彼らが日本のホワイトカラーの仕事に就く可能性もないとはいえません。

 

アメリカで中間層が縮小しているのは周知の事実ですが

日本もまた中間層が縮小している状態です。

新興国の中間層は拡大しています。

彼らの暮らしは年々、豊かになり国力面でも経済面でも個人の意識面

でも力をつけています。

 

アメリカと日本を見比べるのではなくて

新興国&途上国と日本&アメリカという軸で世界を見るべきです。

 

日本国内で日本人がアメリカの移住の実態やアメリカの実態みたいな

ネット記事や動画を見て、日本最高、日本すばらしいって称賛

している間に、世界の国々は日米を追い抜くどころか

追い落とすかのように力をつけています。

気が付いたころ、日本は世界に立ち打ちできない状態になっているかもしれません。

 

動画の主人公に対する感想を述べてみたいと思います。

まず早計に何も考えずにアメリカに移住すべきでなかったと思います。

アメリカの現状をきちんと見定める必要はありましたね。

 

ネタばれ部分の感想になってしまいますが、

おそらくこの主人公さん世界観が日本とアメリカだけしかなかったと思います。

医者と看護婦が配られたトランプで勝負するって言ってましたね。

高収入をゲットしている医療従事者がいうべき言葉ではありませんね。

アメリカ人の多くはアメリカに見切りをつけて海外移住する者が増えています。

(日本のすばらしさを語っていましたが、日本に移住するんだろうかと思いきや

アメリカ人の多くはほかの英語圏、もしくはラテンアメリカに移住します。)

 

メキシコをはじめとするラテンアメリカアメリカ人が移住って

まさに逆移民状態が。

 

多分今後、主人公さんは日本で何が起こっても日本で暮らし続けることでしょうね。

アメリカばっかりに視野を奪われず

他国のこと、特に途上国のことや欧州のことも学ぶべきだったと思いますね。

 

最期に私から一言

こうしたアメリカの実態みたいな動画を見終わった後に

アメリカをまた他国をこき下ろして日本を礼賛、称賛することは

あまりおすすめしません、自画自賛して何もしないでいると

日本はますます世界から取り残されることでしょう。